大川小津波訴訟、控訴審判決下る - 市民の会.
2018/04/29 (Sun) 21:23:13
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2018年4月26日、大川小津波訴訟の控訴審判決で、仙台高裁は市や学校の防災体制について初めて過失を認定しました。
一審判決では、教職員による避難誘導の過失認定にとどまっていましたが、今回の二審判決では校長や市の組織的過失も認定されました。
新聞には「高いレベルの防災体制を求める判決で、全国の教育関係者に大きな影響をあたえそうだ」とありましたが、これは高いレベルの防災体制でもなんでもなく、当たり前のことだと市民の会は考えます。
Re: 大川小津波訴訟、控訴審判決下る - 市民の会.
2018/04/29 (Sun) 21:52:52
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東京新聞に掲載された判決要旨の中から引用します。
【安全確保義務】については
「災害時における児童の安全確保に万全を期する上で、教職員の災害時における具体的行動を記載したマニュアルの整備は重要だ。大川小のマニュアルには「近隣の空き地、公園など」と記載されているだけで、避難経路や方法は記載がなかった。校長は、児童を安全に避難させるのに適した避難場所を定め、避難経路と方法を記載するなどして改定すべき義務を怠ったと認めるのが相当だ。市教委はマニュアルの内容を確認せず、不備を指摘して是正させる指導をしなかった」。
等の義務違反が指摘されています。
【結果回避】について、判決はさまざまな状況を想定しつつ、次のように言います。
「校長が安全確保義務を履行していれば、児童が津波で死亡する結果を回避できた」。
これは市民の会が長年主張し続けてきたことです。ただし、市民の会は、児童のほかに教職員とスクールバスの運転士も含めています。
Re: 大川小津波訴訟、控訴審判決下る - 市民の会.
2018/04/29 (Sun) 22:44:51
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次に、控訴審の争点について危機管理マニュアルの部分を新聞から引用します。
「危機管理マニュアルの内容」について
【遺族側】
具体的な避難先や方法の記載がなく、極めて不十分。
【市側】
当時の科学的知見では十分な内容だった。
【一審判決】
東日本大震災前の段階で、避難先や方法を明記する義務はない。
【控訴審判決】
避難場所や経路、方法をあらかじめ定めておく必要があった。
「マニュアルの改定」については
【遺族側】
市と学校は検証や修正を怠った組織的過失がある。
【市側】
策定は努力義務に過ぎず、改定の義務もない。
【一審判決】
改定すべき注意義務があったとは言えない。
【控訴審判決】
校長らは大川小の実情に応じて改定する義務があり、市も不備を指導しなかった。
いずれの場合も、【遺族側】の主張がもっともであり、【市側】と【一審判決】の主張は人間のことばとは思えないものです。【控訴審判決】に至ってやっと、まともな人間のことばが聞けたと思い、ほっとしているところです。
しかし、いくらほっとしても子どもたちの命は帰ってきません。今でも悲しく、無念の思いでいっぱいです。
南三陸町の戸倉小学校では、マニュアルを定めるための会議を何度もひらいていた結果、大川小以上の高さの津波に襲われたにもかかわらず、校長先生の適切な判断によって一人の犠牲者も出さなかったのです。
大川小学校では74人の児童生徒と10人の教職員、1人のスクールバス運転士、明確にわかっている学校関係者だけで85人の犠牲者を出してしまいました。
その理由は控訴審判決にある通りです。