石巻市復興を考える市民の会公式掲示板「その4」

石巻市復興を考える市民の会 公式掲示板4

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被災地視察の総括的な考察 市民の会 .

2019/10/06 (Sun) 15:55:15
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視察の目的

今回の視察の第一の目的は安房なのはな隊のみなさんと見波亭の被災状況を知ることでした。見波亭そのものの被害は大きくはなかったのですが、同じ親会社の関連施設の被害が大きく、完全復旧には半年近くかかるのではないかと思います。見波亭そのものは10月4日に営業を再開しています。災害の後の営業再開ですから、お客さんはまだ少ないようです。なのはな隊のみなさんは無事でしたが、中村さんのように家屋が大きな被害を受けた方がいました。しかしながら、なのはな隊、見波亭ともに人的被害はなかったようで、その点は安心しました。

視察の第二の、そして最大の目的は、15号台風による家屋の被害がどのくらいのものか、復旧の見通しはどうなのかということを知ることでした。こちらの方は大きな問題が山積しています。

Re: 被災地視察の総括的な報告 市民の会 .

2019/10/06 (Sun) 16:01:20
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目にした被害

今回視察を行ったのは富津市、館山市、鋸南町のごく一部のみでしたが、それでも目に入ってくる光景は惨憺たるものでした。一番目についたのは屋根に被せられたブルーシートでした。ブルーシートは熊本地震のときにも多く見られましたが、そのときは地震被害だったので全壊、大規模半壊等の家が多く、後に建て替えられたのでカビによる健康被害は話題になりませんでした。

今回は台風による被害ですから全壊、半壊はそれほど多くなく、圧倒的に多いのは一部損壊です。10月4日現在では千葉県で全壊172棟、半壊1658棟、一部損壊29615棟ですが、これはほんの一部しか調査していませんから、この後まだまだ増えます。

家の損壊に関する第一の問題は、職人や材料の不足によって屋根の補修に1年以上の時間がかかることです。その間、ほとんどの家ではブルーシートで雨が入らないように応急処置をしていますが、ブルーシートで雨を完全に防ぐことは出来ません。また、ブルーシート張りを実際に手伝った経験から言えば、台風のすぐあとでブルーシートを張ったのは家の当人、近所の人、親戚の人など屋根や瓦のことを知らない人がほとんどですから、目立たない損傷箇所を見逃した可能性があります。その場合、目に止まらないわずかな雨漏りによって、少しずつ家の中にカビが蔓延する可能性があります。

ブルーシートは紫外線によって痛み易く、屋根を覆うのに使うと長くて2、3ヶ月しか持ちません。突起物に擦れたりすると、もっと早く穴が空きます。ブルーシートで覆うのは一時的な補修としても不完全です。けれども、今の日本では広域災害の場合、ブルーシートを使うしか方法がありません。それは自治体がブルーシートしか災害用にストックしていないからです。千葉県でも市や町が配っていたのはブルーシートばかりでした。自治体は、単価は高くてもUV耐性のあるシルバーシート(写真の手前の家、屋根の左側を覆うシート)をストックしておくべきです。その方が結局は安くつきます。何回も屋根に登らずに済みますから、被災者の安全も守れます。

Re: 被災地視察の総括的な報告 市民の会 .

2019/10/06 (Sun) 16:09:47
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家全体がカビだらけになる

第二の、そして最大の問題は、吹き込んだ雨によって被災家屋にカビが広がってしまったことです。目につかない雨漏りや、破れたブルーシートから吹き込む雨によってこれからカビが発生する家が増えることも十分考えられます。実際、家中がカビだらけになってしまった、天井がカビだらけという話も現地で随分聞きました。鋸南町では、屋根が大きく壊され、吹き込んだ雨で家中がカビだらけになり、もう住めないので引っ越しをするという家族がいました。

カビだらけになった家に住むと呼吸器に疾患をもたらしますが、おそらくその前に精神を病むと思われます。自分の家がカビによって徐々に住めなくなっていく(壊れていく)のを目の前で見ていると心も壊れていくのです。多くはうつ病になっていくと思われます。

家の中のカビは、被災者に対する遠慮があって写すことが出来ませんでした。今から思えば無理にでもお願いして撮影しておくべきでした。

Re: 被災地視察の総括的な報告 市民の会 .

2019/10/06 (Sun) 17:30:30
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仮設住宅を建ててください

実際に自分の家がカビで住めなくなったが行くところがないという人がいました。知り合いの家、自分の子どもの家、親戚の家に避難している人が多いという話をたくさん聞きました。仮設住宅を早く建てて欲しいという話も、短い千葉県滞在の間に3回も聞きました。千葉県知事と各市町村長は連携して被災者の実態を調べ、すぐ行動に移すべきです。

各首長や行政マンは県民、市民の税金で飯を食っているわけですから、住民の窮状を救わなければならない義務があると市民の会は考えます。この場合は仮設住宅の建設です。「財源もないのにそんなことは出来ない」と、したり顔で言う人がよくいます。そう言う人には、こう聞き返したいと思います。「財源もないのに8兆円もの武器・兵器をよくアメリカから買えるね」と。

仮設住宅建設は数百億円の予算で済むはずです。アメリカから8兆円の兵器を買う金はあるけど、仮設住宅を建てる金がないというなら、それは本来日本の被災者に使うべきお金を取り上げて、アメリカの兵器産業に関係している裕福なアメリカ人に(日本人の税金を)ばら撒いていることになりませんか。これって話が安倍こべでしょう。怒りが湧いてきませんか。こんなことを許しているから、いつまで経っても同じことを繰り返しているのです。

閑話休題、ことは千葉県民、伊豆諸島の東京都民の健康と命に直結している問題です。カビが生えて住めなくなる家がますます増えるのではないかと市民の会は心配しています。こんな心配が杞憂に終わることを願っています。

写真の仮設住宅は千葉県ではなく、東日本大震災の約一ヶ月後、2011年4月9日に石巻市内で写したものです。被災後、一ヶ月経たないうちに市内で、このように仮設住宅が建てられていました。

被災の規模が違いますから、同じようにとは言いませんが、なるべく早く千葉にも仮設住宅を建てて欲しいと思います。やろうと思えば出来るはずです。

Re: 被災地視察の総括的な報告 市民の会 .

2019/10/06 (Sun) 18:58:52
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何回も使える仮設住宅を

さらに一つ提案があります。仮設住宅建設には、一戸あたりにすると700万円の費用がかかると言われています。(1棟ではありません。一家族が住む1戸あたりにつき700万円です)それだけのお金をかけておきながら、現在の仮設住宅は再利用が出来ないと言われています。利用したものを一度解体して、再度組み立てると雨漏りなど不具合が多く発生するからだそうです。700万円もかけておいて一度使っただけで廃棄するなんてもったいないことは本来出来ないはずです。

そこで提案です。もう少しお金をかけてもいいから3回、4回と利用できる耐用仮設住宅を設計・製造すべきです。仮に一戸あたり1000万円かけても、それが耐用年数20年なら、単純計算でも3回から5回は使えます。

住宅は建物だけではなく、付帯設備をつけて使用可能となります。ですから、システムで設計し、繰り返し使用する部分を分けるべきでしょう。そうすれば外国での災害復興支援にも使えます。検討に値すると思いますが、いかがでしょう。

災害救助法や建築基準法の縛りなど、いろいろあるでしょうが、災害が多発する時代を迎えている今、無駄な経費は極力切り詰めるという努力も必要になるのではないでしょうか。

火山と地震の国でもあるイタリアには10年持つ、おしゃれな仮設住宅があるようです。仮設住宅の耐用年数 で検索してみて下さい。

Re: 被災地視察の総括的な報告 市民の会 .

2019/10/06 (Sun) 19:08:17
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自主電源の確保

なお、今回の台風被害にはさまざまな側面があるので、それにもひと言言及します。

今回の被害の特徴は、まず大規模な停電が長期にわたって発生したことです。風速60メートル以上の風が吹けば日本全国どこでも同じような被害が発生します。今回もそうでしたが、気温が高いときに停電が長く続くと生命に関係してきます。人によっては今日、明日の命が危ないということになります。これに対する備えはただ一つ「自主電源の確保」です。ガソリンあるいはガスボンベ発電機、ソーラーパネル(できればエアコンが動かせるほどのもの)などを備えておくことです。大災害時はスマホが使えなくなります。たとえ回腺が復活しても停電が長引けば充電ができません。これに対しては予備電源として、車のバッテリーが上がったときのためのジャンプスターターを準備しておくことも有効です。それ以外には水、食糧、トイレ用品など一般的に言われている準備がありますが、それはみなさん、もうご存知でしょう。
以上

2019年10月6日
石巻市復興を考える市民の会

Re: 被災地視察の総括的な報告 市民の会 .

2019/10/07 (Mon) 19:59:51
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災害多発時代へ向けて市民の会の提言

今回の台風被害は単に千葉県、伊豆諸島だけの問題ではありません。台風の進路がもう少し西にずれていたら、被害を被ったのは東京の中心部です。そうなると被災家屋は100万戸を越えたでしょう。また、台風自体もスーパー台風と呼ばれる超弩級の台風ではありませんでした。それなのに60メートル以上の強風が吹き、このような大災害になってしまいました。このことは何を意味するのでしょうか。

今回の台風災害が明示するのは、日本中でいつこのような大災害が発生してもおかしくないということです。海水温の上昇で台風はさらに強大化することが懸念されています。自然災害は台風ばかりではありませんが、台風だけに限ってみても毎年こんな台風が2回も3回も上陸したら、私達はそれに対応できるのかということです。

日本政府と千葉県は未だに今回の被害の全貌を把握できていません。対策は後手に回っています。自然災害への対策と被害への対策です。自然災害への対策としては例えば、電柱に頼っている送電網、通信回路網をどうするかということです。北海道での大停電の際に問題となったように、広域への電力供給を一つか二つの発電所に頼っていいのかということです。地域に密着した小発電所をたくさん作るべきではないでしょうか。

被害への対策は事前の備えと事後の救済策です。事前の準備と事後の救済策は直接つながっています。例えば、そのごく一部を言えば、自治体は現在備蓄しているブルーシートに代えてUV対応のシルバーシートを備蓄すべきこと、全国的な規模で仮設住宅の準備をすること、さまざまな災害に対応する法整備を早急に進めることなどです。法整備を進めて、それを周知しなければなりません。

例えば、今回、千葉では災害復興支援金や保険金などに関して、屋根の被害に対してはお金が下りないのではないかという不安の声を被災者から直接2度も3度も聞きました。私は法律に詳しくないので答えることができませんでした。家に帰って小六法で調べようとしても、平成11年発行の小六法には災害関連の法律は一つも載っていませんでした。調べる手段がありませんでした。こういう人が多いのではないかと思うのです。こういう不安は払拭しなければなりません。

政府や自治体の対策とは別に、私達は個人的にも準備をしたほうがいいのではないかと市民の会は考えます。物品の備蓄に加えて災害関連の法知識を蓄え、それを周囲の人達と共有する。そして、助け合う仲間をつくることです。自分のところにだけは災害は来ないなどと考えることはやめて、いつでも来いというくらいの強い気持ちを持っていいと思います。いずれにしても、最終的に頼れるのは人間です。人間関係をつくりましょう。
以上

2019年10月6日
石巻市復興を考える市民の会

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