市民の会はグレタ・トゥンベリに連帯を表明します - 市民の会 .
2019/10/16 (Wed) 18:59:18
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16歳の少女が本気で怒っています。高校1年生の少女がトランプ米大統領やEUの首脳たちに対して、面と向かって声を荒げているのです。なぜなら、今の大人たちは環境破壊、原子力発電、戦争等によってこの地球社会を壊し続けているからです。その壊された世界で、これから生きていかねばならないのが、今の子どもたちの世代なのですから、怒るのは当然なのです。怒らないほうが不思議です。市民の会は大人たちの集まりですが、同じ怒りを共有しています。だから、彼女の怒りがよくわかるのです。
日本では9月に15号台風が来て、10月には19号台風によって、全国に甚大な被害が生じました。矢継ぎ早に、こんなに強力な台風が来ることは過去にありませんでした。地球温暖化の影響と見て間違いないでしょう。これから毎年こんな台風がいくつも来るとしたら日本はどうしたらいいのですか。安倍首相、答えられますか。これも「経済成長」とかいう笛に踊らされて環境破壊を座視し続けてきた結果でしょう。
台風が強大になるのは海水温が高いからです。海水温を上げる原因の大きな一つが原子力発電所の余熱冷却です。原子炉の冷却水には一次、二次、三次とありますが、二次冷却水が発電タービンに回り、三次冷却水が海につながる海水なのだと思います。最終的には原発の冷却には海水を使っているのです。そうでなければ日本の原発がすべて海に接して立地している理由がありません。確かに原発は二酸化炭素を排出しないかもしれません。しかし、間違いなく海水温を上げているのです。
グレタは原発や戦争には言及していませんが、要は同じことです。原発や戦争も環境破壊なのです。原発に関して言えば。海水温以外にも、使い終わった核燃料、高レベル放射性廃棄物の問題があります。核燃料は使い終わった後も200年にわたって冷却を続け、その後10万年にわたって隔離・監視を続けなければなりません（日本学術会議）。プルトニウム239の半減期は2万4110年ですから、その放射能が16分の1になるまでに9万6440年かかるわけです。その間に莫大な費用がかかります。この出費と危険を今の大人は将来の人間に押し付けていることになります。
また、今の大人はこの地球世界を戦争、紛争まみれにしています。武器・兵器を生産販売して儲けるためです。世界の中でほんの一握りの人間が自分の利益のために戦争や紛争を起こすによって、私達が住んでいるこの大事な地球を、破壊し続けています。（この点については『石巻市復興を考える市民の会アーカイブ-8年間の活動記録-』の第Ⅲ部「ボランティア活動についての考察」特に第6節から15節までをお読み下さい）。そういうことをやっているのはほんの一部の人間だとしても、その他大部分の私たちは、それを見逃している、あるいは見ないようにしているという点で共犯者になっています。私もあなたも、です。
そういう大人たちに NO を突きつけているのが16歳のグレタ・トゥンベリです。彼女は気候行動サミットで世界のリーダーたちを厳しく叱責したのです。
「私達は絶滅に差し掛かっているのに、あなたたちが話すのは金のこと、永遠の経済成長というおとぎ話だけ、なんということだ」。
「過去30年以上、科学は極めて明瞭であり続けた。必要な政策も解決策もまだ見当たらないのに、目を背け、ここに来て「十分やっている」なんてよくも言えるものだ。あなたたちは私たちの声を聞き、緊急性を理解したと言う。でもどれだけ悲しみと怒りを感じようと、私はそれを信じたくない。なぜなら、もし本当に状況を理解し、それでも座視し続けているとしたなら、あなたたちは悪だからだ」
「十年間で（温室効果ガスの）排出量を半減するというよくある考え方では、（気温上昇を）1.5度に抑えられる可能性が50％しかなく、人類が制御できない不可逆的な連鎖反応を引き起こす恐れがある」
「この数字はあなたたちが空気中に出した何千億トンもの二酸化炭素を、私たちの世代が、（現時点で）ほとんど存在していない技術で吸収することを当てにしている。だから、50％の危険性は私たちには全く受け入れられない。私たちはその結果と共に生きていかなければならない」
このグレタの悲しみと怒りの言葉に対してマスコミからは「感情的だ」、トランプからは「明るく素晴らしい未来を期待するとても幸福な少女」、プーチンからは「優しく、誠実な少女だが、現在の世界が複雑で多様に発展していることを教えられていない」などと皮肉られています。いずれも的を外したみっともない反応です。グレタの言っていることがあまりにも正鵠を射ているので、まともに答えることが出来ないのです。それで仕方なく的はずれなことを言って恥を満天下にさらしているのです。
アメリカやロシアの大統領をはじめとして世界のリーダーたちは、16歳の少女の真剣な問いに誰一人として満足に答えられていません。見て見ぬ振り、問題点の先延ばし、こんなことしか出来ない（でも金儲けだけはうまい）リーダーたちが、この地球社会を先導しているのかと思うと怖くて逃げ出したくなります。しかし、私たちには逃げる場所はありません。グレタのように勇気を出して戦うしかないのです。市民の会はグレタ・トゥンベリに連帯を表明します。
なに、怖くて出来ないだって ! 16歳の少女がやっているんだよ !